【2021年】小説好きSEが読んだ年間ベスト10!

小説好きが選ぶ2021年ベスト10 テーマ別

2021年に読んだ100冊の小説の中からベスト10を紹介!

2021年はジャスト100冊の作品を読了しました。

その100冊の中から、個人的に印象に残った作品をランキング形式で10作品紹介します!
おまけに、海外作品も3作品紹介します。

面白い作品が多くて、10作品を絞るのも大変でしたw

もし未読の作品があれば、ぜひ手に取ってみてください!

それではどうぞ!

2021年ベスト10 〜国内〜

第10位 「シャドウ」道尾秀介

・第7回本格ミステリ大賞受賞

「人は、死んだらどうなるの? 」
母を病気で亡くした小学5年生の我茂凰介。
そこから、日常が、周りの大人が少しづつ狂っていく。幸せを願う凰介の辿り着く先は―。

冒頭、円満に思えた2つの家族の闇が少しずつ表面化してきて、色んな人が怪しく見えてくる。
巧みなミスリードと伏線、ストーリーのスピード感、そして、衝撃の結末!

先の展開が気になって、気になって、読みだしたら止まらない!

以前に読んだ「向日葵の咲かない夏」で、道尾秀介さん作品に苦手意識ができてたけど、
この作品を読んで一気に苦手意識は吹っ飛んだ。

独特の世界観を持ち、メッセージ性もあって、すごい作家さんだと感じられる作品です!

第9位 「雪冤」大門剛明

・第29回横溝正史ミステリ大賞 大賞とテレビ東京賞のダブル受賞
・テレビドラマ化

殺人で逮捕された息子の冤罪を訴える八木沼悦史。
一方、殺された女性の妹のもとに、真犯人を名乗る人物から電話が。
「死刑制度」と「冤罪」をテーマにした傑作、社会派ミステリー。

人間味溢れるキャラに、読者を手玉に取る巧みなストーリー展開。
(手のひらで転がされてるような展開ってたまらないw)

メッセージ性が強く、ミステリーでありながら深く考えさせられる作品。

被害者、被害者家族、加害者家族、冤罪等の視点から色んな考察があり、
いかに自分が何も考えていないかを痛感させられる。

重いテーマとミステリーを融合した読み応え抜群の社会派ミステリーです!
社会派ミステリー好きなら楽しめること間違いなし!

第8位 「グラスバードは還らない」市川憂人

希少動物密売ルートの捜査中に、爆破テロに巻き込まれるマリアと漣。
時を同じくして、ガラス製造会社の関係者たちが窓のない迷宮に軟禁される。
突然、壁が透明に変わり、そこには血溜まりに横たわる男が―。

マリア&漣シリーズ第3弾!
ガラスを使った、特殊な密室で起こる連続殺人。

アガサ・クリスティ「そして誰もいなくなった」の雰囲気があり、ハラハラ・ドキドキ。

爆破テロに巻き込まれた二人と、密室での連続殺人が交互に展開され、
それぞれのストーリーが交差したとき、衝撃の真実が。
タイトルの「グラスバード」の意味がわかったときは鳥肌がたちました。

この作品は、シリーズの前作2作の内容が話に絡んでくるので、
そちらを読んでから読んだほうが、より楽しめます!
 →本格理系ミステリー!市川憂人さんのマリア&漣シリーズを紹介!

第7位 「お探し物は図書室まで」青山美智子

・2021年本屋大賞ノミネート作品

「お探し物は、本ですか? 仕事ですか? 人生ですか?」
コミュニティハウスの図書室の司書・小町さゆり。
図書室を訪れた人が、彼女の選書により、色んな気づきを得て成長していく物語。

5編からなる連作短編集。

「日常に変化がない」「頑張っているけど結果が出ない」「自分には出来ない」
そんな人達の背中をそっと押してくれる作品。

人と人の縁を感じられ、少し視点を変えてみることで変わる景色に気付かされる。

使われる言葉がすごく温かく癒やされ、胸に刺さる言葉が多く前向きになれる。
優しさと共感度が高すぎて、5編とも泣けます!

この作品を含め、青山美智子さんの作品はどれも
「心の弱い部分」をそっと包み込んで、温めてくれます。

第6位 「紅蓮館の殺人」阿津川辰海

山火事が迫る中、逃げ込んだ館で起こる殺人事件。
タイムリミットは35時間。犯人は誰か?脱出することは出来るのか!?

館四重奏シリーズの第1弾。

ミステリーの定番、「館」&クローズド・サークル。
新しい館シリーズが登場!

登場人物として、元探偵、現名探偵、探偵になりたかったワトソン役が出てくる。
それぞれの想いが随所でぶつかりあい、探偵一人が推理するのとは、ちょっと違った展開を楽しめる。

若干、アウトローな展開もありながら、推理は圧巻で、解き明かされる謎も衝撃的!
何度も驚かされる展開は見事だった!

これから追いかけていきたいと思える作品です!

第5位 「52ヘルツのクジラたち」町田そのこ

・2021年本屋大賞受賞

過去を断ち切って大分へと移住した三島貴瑚は、そこで13歳の少年と出会う。
虐待を受けている少年を救おうと奔走する中、自分の過去とも向き合い、成長していく物語。

目を背けたくなるほどの辛い描写と、人間味溢れる温かい描写が交互に流れ込んでくる。
辛さと暖かさのミルフィーユ状態。

感情がとことん揺さぶられて、悲しい涙、悔しい涙、嬉しい涙と色んな涙が溢れてくる。

声を、「助けて」の声を聞いてくれる人がいることがどれだけの救いになるか。

今年一番泣いた作品です!もう号泣!
泣きたい方は必見です!

第4位 「硝子の塔の殺人」知念実希人

・実業之日本社創業125年 記念作品

雪深き森に燦然と輝く「硝子の塔」。
ミステリを愛する大富豪の呼びかけで、一癖も二癖もあるメンバーが集められる。
そんな中、館の主人が毒殺される。そして、悲劇は続く。

奇妙な館、クローズド・サークル、癖のある招待客、密室、探偵、読者への挑戦状。

「ミステリーを愛するすべての人へ」というキャッチフレーズ通り、
ミステリーの色んな要素をぎっしりと詰め込んで、愛で包んだような作品。

探偵がミステリーオタクということもあり、歴代の色んなミステリー作品も出てきて、
ミステリー好きにはヨダレが出るw

冬に読みたいミステリー作品を紹介してます。
 →冬に読みたいミステリー小説7選!

第3位 「六人の嘘つきな大学生」浅倉秋成

IT企業「スピラリンクス」の新卒最終選考に残った六人。
六人に与えられた課題は、一カ月後までにチームを作り上げディスカッションするというもの。
一致団結し、課題を乗り越えようとするが、本番直前に課題が変更される。
新しい課題は「六人の中から一人の内定者を決める」こと。
チームからライバルへと変わった六人、そんな中、それぞれの過去が暴露されていく。

各種ミステリランキングを賑わせた話題作!

「伏線の魔術師」という異名を持つ浅倉秋成さん。
その異名通り多くの伏線に、二転三転する展開、見事な伏線回収と、一気読み必須の傑作!

ミステリーとしてだけなく、就活の闇、葛藤、人を選ぶ難しさが色濃く描かれていて、引き込まれる。

この六人はみんなクズなのか?何が嘘で、何が本当なのか?

究極の心理戦を存分に担当できる作品です!

第2位 「原因において自由な物語」五十嵐律人

誰にも言えない秘密を抱えた人気作家の二階堂紡季は、その秘密と引き換えにしてでも
書かなければいけない物語に出会ってしまう。
弁護士兼作家である筆者が、弁護士と作家を主人公に描いた渾身のミステリー。

現実と虚構を行き来しながら、紡がれるストーリー。
弁護士と作家が主役であり、作者自身の小説感がぎっしり詰まっている。

胸に刺さる言葉が多く、「人間」を深く描き出した作品。

「読者が求めているのは結末じゃなく、そこに至る過程への共感だと思ってる。」
この言葉通り、大きなどんでん返しがあるわけではないが、物語の過程をじっくりどっぷり味わえる。

ストーリー展開や内容、言葉の選択、読後の余韻、どれも好き!
この作品で、すっかり五十嵐律人さんに魅了されました。

第1位 「国宝」吉田修一

・芸術選奨文部科学大臣賞受賞
・中央公論文藝賞受賞

極道と梨園、生い立ちも才能も違う二人の役者が、上方歌舞伎の道へ。
芸の道に一生を捧げた男たちの物語。

とんでもない「熱量」を持った作品!

芸に生きる男とそれを支える者たち、それぞれの想いや努力、葛藤、失望、
ありとあらゆる感情が交差して、最高に熱い人間ドラマがここにはある。

この作品を書くのに4年間もの取材があり、歌舞伎の裏側も体験して書かれているため、
歌舞伎と、歌舞伎に関わるすべての人の想いがぎっしり詰まってて、エネルギーに満ち溢れている。

歌舞伎の「か」の字も知らない私が読んでも、目の前で歌舞伎を見ているような臨場感を味わえ、
後半はもう鳥肌と涙が止まらない!

芝居の中に生き続けることの凄さを、まるごと体験できる、まさに名作!

2021年ベスト3 〜海外〜

第3位 「火曜クラブ」アガサ・クリスティ

アガサ・クリスティが描く探偵の中で、「エルキュール・ポアロ」と人気を二分する
「ミス・マープル」が登場する13編の短編集。

家に集まったメンバーが順番に、既に解決した難事件を紹介して、みんなで推理するという趣向。

安楽椅子探偵ものの代表作として知られています。

翻訳小説に苦手意識がある方でも短編なので、比較的読みやすい。
しかも、それぞれに違った本格派の謎解きがあり楽しめます。

小さい村の人々の生活を観察する中で編み出された、マープルの推理力は圧巻です!

第2位 「ザリガニの鳴くところ」ディーリア・オーエンズ

・2021年本屋大賞 翻訳小説部門 第1位

湿地の小屋で暮らすカイアという、一人の女性の一生を通して描かれる重厚な物語。

少女の成長、深い孤独、人間の強さ、弱さ、暖かさ、冷たさ、そして、暴力に人種差別。
それらを取り囲む自然の雄大さ。

さらにミステリーでもあり、とんでもないぐらい詰まってて、読み応えがすごい!

そして、ラストの余韻よ……

ちなみに、この作品は、作者が69歳で初めて執筆した小説。シンジラレナイ。

第1位 「蠟人形館の殺人」ジョン・ディクスン・カー

優雅な装いの下に、メフィストフェレス(悪魔)の冷徹さと知性を秘めた、予審判事バンコランの名推理。
怪奇趣味に彩られた、独自の世界観を持つ作者が放つ、フーダニットの傑作。

序盤は、景色や場所、人物の描写が丁寧に描かれているためスピード感がないが、
中盤から一気に物語が加速する!

危機一髪スリル満点の捜査、見事な推理からの意外な犯人!
そして、衝撃のラスト1章!

このラストがなかったら、普通に面白い。で終わったかもしれないが、
ラストの緊張感、しびれたぁ!
バンコランのメフィストフェレスたる所以を見たね。

ちなみにこの作品はバンコランシリーズの4作目です。
話は完結してるので、この作品だけでも十分楽しめます!

おわりに

いかがでしたでしょうか?

今年も多くの作品と出会って、楽しませてもらいました!
ミステリー好きなので、ミステリー作品の割合が圧倒的に多いですw

完全に個人的なランキングですが、どれも面白い作品なので、
本選びの参考にしてもらえたら嬉しいです。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました!

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