読後にいや〜な気持ちになる後味の悪いイヤミス小説を紹介!
イヤミスと聞いて、思いつく作品はありますか?
自分の近くにもありそうで怖い、読後に嫌な余韻が残る。
そんなイヤミス作品を7作品紹介します。
連続して読むのは精神的にしんどいんだけど、なんか癖になる。
たま〜に読みたくなりますよね!
気持ちのいい作品の合間のスパイスとして、イヤミスを選んでみるのはいかがでしょうか?
それではどうぞ!
後味の悪いイヤミス小説
「告白」湊かなえ
・デビュー作
・2008年 週刊文春ミステリーベスト10 第1位
・2009年 本屋大賞受賞
・2010年映画化
我が子を校内で亡くした中学校の女性教師が、終業式のHRで犯人である少年「A」「B」を告発する。
級友、犯人、犯人家族の視点から語られる事件の真相とは…
イヤミスの女王としての地位を確立した湊かなえさんのデビュー作。
湊かなえさんと言えばこの作品!を真っ先に思い浮かべるのではないでしょうか?
そんな私も、この作品に魅せられて読書沼にハマった一人です。
1章で突然、女性教師から語られる驚愕の展開。
そして、それぞれの章で、それぞれの視点から事件が語られていき、真相に近づいていきます。
特に犯人の母親の日記形式で書かれた章は、ものすごい臨場感で、背筋がゾクゾクしました。
デビュー作とは思えない、圧倒的な完成度の高さにただただ驚かされます。
もし、まだ本作を読まれていない方がいたら、是非読んでいただきたい名作です!
「婚活中毒」秋吉理香子
婚活をテーマにした4編からなる短編集。
<収録作>
・理想の男
・婚活マニュアル
・リケジョの婚活
・代理婚活
結婚相談所や、お見合いパーティなど、婚活をテーマにゾクッとする怖さが光る作品ばかり。
例えば、「理想の男」
結婚相談所で紹介された男性は、ハンサムで真面目、なのに、入会してから3年も結婚できていない。
こんなに好条件の男性が結婚していないのは、なぜなのか?
彼とお付き合いをしていた女性を調査し始めると…
男性の愚かさと、女性の怖さが体験できます。
短編なので、サクッと読めて、少しゾクッとする、ライトな作品です。
婚活中の方(特に男性)は、読まないほうが良いかも?!
あなたの婚活相手は大丈夫ですか?!
「さんくすないと」根本起男
・第2回 ゴールデン・エレファント賞 特別賞受賞作
絶品グルメが並ぶデパ地下で年に1回だけ開催される「サンクスナイト」
参加できるのは、抽選で選ばれた社員やその家族。
デパ地下のグルメを食べ放題という、夢のような企画だがー。
知名度が低めだけど、個人的にツボにはまった作品!
デパ地下グルメの食べ放題ですよ!これはまさに夢のような企画ですよね。
こんな企画に当選したらそれはもう夢心地。この設定に魅了されました。
もちろん当選したメンバーはやる気満々で、食べ放題を満喫します!
貪るように食べまくっている最中に、突然、スピーカーから、食べ物に毒を噴射したという放送が…
そして、一人目犠牲者が…
天国から地獄とはこのことですね。
まさにここから地獄のような展開が始まります。
ドロドロ、ぐちゃぐちゃですw
食事の前後には絶対に読まないでください!危険です!
目を覆いたくなる、食欲がなくなる展開なんですが、引き込まれるんですよね。
デパ地下食べ放題ミステリー、興味を持った方はぜひ読んでみてください!
「ユリゴコロ」沼田まほかる
・大藪春彦賞受賞
・2017年映画化
実家の押入れに仕舞われていた4冊のノート「ユリゴコロ」
それは、殺人に取り憑かれた人間の生々しい内容だった。
ノートを見つけた亮介は真相に迫っていく。
吉高由里子さんが主演で映画化され、第41回日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞しています。
ホラーのようなサスペンスのような展開から始まり、徐々に愛の物語へ変わっていく。
衝撃の展開に「してやられた感」を味わうことが出来ます!
登場人物の心理描写や、ラストの衝撃をぜひ堪能してみてください。
「本日はどうされました?」加藤元
とある病院で連続不審死事件が発生。
噂を聞きつけたフリー記者が独自に調査を始めると、一人の疑わしい看護師が…
インタビュー形式で書かれた10章からなる構成。
日記とか、インタビュー形式って読みやすく不穏な感じがいいですよね。
人間の悪意を、巧みなストーリー展開で描いているので、先が気になって一気読みしたくなる。
最初の違和感が少しずつ解消されて、ラストは何ともゾワゾワする結末。
感動作を多く書いている著者が放つ、イヤミスをぜひ試してみてください!
「来なけりゃいいのに」乃南アサ
働く女性の悲劇を描いた7編からなる短編集。
<収録作>
・熱帯魚
・最後のしずく
・夢
・ばら色マニュアル
・降りそうで降らなかった水曜日のこと
・来なけりゃいいのに
・春愁
日常に普通に起こりそうな話や、少しスパイスの聞いた話を楽しめるイヤミス集。
すべて女性目線で書かれているので、女性が読むとさらに共感できると思う。
乃南アサさんは人間の感情を表現するのが本当にうまい!
見事に嫌な感情を描いているので、どの話もとってもゾクッとして、いや〜な気分になります。
より詳しく紹介しているので、興味ある方はこちらをどうぞ。
→【イヤミス】「来なけりゃいいのに」働く女性の哀歌を描く!
「満願」米澤穂信
・第27回山本周五郎賞受賞
・2014年 ミステリが読みたい! 第1位
・2014年 週刊文春ミステリーベスト10 第1位
・2014年 このミステリーがすごい! 第1位
6編からなる短編集。
<収録作>
・夜警
・死人宿
・柘榴
・万灯
・関守
・満願
史上初めてのミステリーランキング三冠を達成したミステリー短篇集の金字塔!
それぞれ全く異なる趣向の作品を楽しめる。
どれの作品も人間の切実な思いが根底にあり、ちょっとの違和感が大きな結末に向かっていく。
個人的には「夜警」と「万灯」がとても印象的。
どこかほの暗く、ズシッと心に響く短編集を、読んで体験していただきたい!
あなたのお気に入りはどれですか?!
終わりに
いかがでしたでしょうか?
イヤミスと一言で言っても、作品によって色んな特徴があって面白いですよね!
少し背中がスッと寒くなる話を読みたい時にぜひ読んでみてください!
本選びの参考にしてもらえたら嬉しいです。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
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